Yanagisawa Shizuma
泳ぐ日本最大@リュウジンオオムカデ
2021年、日本最大のムカデ、リュウジンオオムカデが記載されました。以前より生きもの好きの間で存在が知られていたムカデで、ようやく記載された形です。
本種は沖縄や台湾に生息します。渓流近くで見つかることが多く、なんと泳ぐことが得意という痺れる最高ムカデです。 現在では絶滅の恐れのある野生動植物の種の保存に関する法律(種の保存法)に基づく緊急指定種となっており、捕獲・販売などが禁止されています。この規制前に採集された個体を何個体か飼育したことがありますが、たしかによく水に潜ります。また、カニや魚などを好んで食べました。多くのムカデ飼育ではコオロギやゴキブリを使いますが、リュウジンオオムカデの飼育ではザリガニをメインで与えていました。あの硬いザリガニを器用に分解していくのですが、見ていて気持ちがいいくらいきれいに食べてしまいます。
そんなかっこよくて面白い生態を持つリュウジンオオムカデを探しに、沖縄本島に行ったことがあります。現地の友人に案内してもらい、ポイントで探してみると、友人があっさりと見つけました。

まだ若いリュウジンオオムカデ
この青緑色の肢、黒い体。最高です。

カッコよすぎるリュウジンオオムカデ
ついつい何枚も撮ってしまいます。メモリーがリュウジンでいっぱいになってもいい、いやいっぱいにしたいくらいの魅力があるのです。 結局この日は3個体に出会うことができました。大満足です。案内をしてくれた友人たちには感謝してもしきれません。 西表島でもゴキブリ採集中に1個体友人が見つけましたが、これは写真に収めることはできませんでした。素早く水に潜り込まれてしまったのです。しかし本当に潜るんだ!という大きな感動を得ることができました。

リュウジンオオムカデのメス成体
こちらは以前飼育していたメス成体。この時はまだ「ヤンバルオオムカデ」と呼ばれ、未記載種でした。
本種は今後調査が進められ、なんらかの対応がとられるでしょう。注目していきたいと思います。