Yanagisawa Shizuma
リュウキュウツチトリモチとヤエヤマツチゴキブリ
更新日:2021年3月17日
2019年に行った石垣島での採集の際、嫁さんがヤエヤマツチゴキブリを見つけました。
本種は一度飼育していたことがあったのですが、卵鞘が孵化せずに絶えてしまったこともあり大喜びで採集しました。1匹捕獲すると、近くにもう1匹、またもう1匹という様に同じ場所で多くの個体が見つかりました。周辺ではその一画でしか見つからず、なぜだろうと考えていると、林床から突き出たキノコのようなものが目に留まりました。

これはリュウキュウツチトリモチという植物です。植物の根茎に寄生する寄生植物で、目立った葉っぱや花はありません。光合成をやめ、宿主から栄養を得ています。
観察していると、どうやらこのリュウキュウツチトリモチにヤエヤマツチゴキブリが集まって植物体を食べているようでした。写真には撮れませんでしたが、花序に登ってガジガジしている姿も観察出来ました。


ゴキブリに種子を運んでもらう植物としてギンリョウソウが有名ですが、もしかしたらリュウキュウツチトリモチも同様のことを行っているのかもしれません。ギンリョウソウもリュウキュウツチトリモチも同じ光合成をしない植物。ゴキブリを介して種子散布を行うという共通点があっても納得できる気がします。
ゴキブリ、まだまだ知らないことが多くて面白いです。