Yanagisawa Shizuma
ゴキブリの光沢
「ゴキブリはツヤツヤしていて嫌い」
ゴキブリについてのイベントを行った際、ゴキブリのどんなところが嫌いかいろいろあげてもらったところ、小学1年生くらいの子がそう答えてくれました。
ゴキブリというと、黒くて、素早くて、ツヤツヤしているというイメージを多くの方が持っているようです。ほとんどクロゴキブリ=ゴキブリというイメージなのだと思います。
私もゴキブリを研究し始めるまではクロゴキブリこそがゴキブリの全てだ、くらいにゴキブリ=クロゴキブリをイメージしていました。元々ゴキブリは大の苦手で、まさしく黒くて素早くてツヤツヤしているところが好きではありませんでした。しかし今となってはその全てが魅力に感じています。
ここ数年、ある理由からゴキブリ類の白バック写真を撮影しているのですが、できる限りその種類らしいポーズやアングルを探して撮影しています。そんな中で難しいのが、ゴキブリのツヤツヤ表現です。一眼レフカメラにツインフラッシュをつけて調節しながら撮影するのですが、ツヤのある種類だと、フラッシュの光に反射してその下の模様が見えなくなってしまいます。

こちらのマダガスカルゴキブリはいい例です。光沢のせいで、胸の模様が見えづらくなっています。
ツヤツヤはそのゴキブリらしさを表す大事な特徴なのですが、扱いが難しい特徴でもあります。ツヤツヤさせつつ模様がわかるように撮らなくてはいけません。また、種によって模様がある位置、体の形が違うため、全く同じセットでは撮れず、それぞれの種に合わせてその都度調整する必要があります。
難しくも、こだわりつつ撮影していると、あるときいい写真が撮れることがあります。この時ほど嬉しいことはありません。この一枚を撮るために、時には総計10時間ほどかかることもあります。もう少しカメラとゴキブリに詳しくなればサクサク撮れるのだと思いますが、まだまだ修行が必要そうです。