Yanagisawa Shizuma
エメラルドゴキブリバチの狩り
更新日:2022年7月31日
長らく撮影の叶わなかったエメラルドゴキブリバチの狩りの瞬間を撮影することができました。

ゴキブリを見つけると素早く駆け寄り、頭側に回り込んで前胸に噛み付きます。そして頭部に針を刺し、麻酔を行います。この間、十数秒ありますが、ゴキブリはかなり暴れて抵抗します。しかしゴキブリバチはそれをしっかり離さずに麻酔を行い続けます。
針を打ち終えると、ハチはゴキブリから離れて触角の手入れをしたり歩き回ったりと自由に動き回ります。そして少し経つと、麻酔をかけたゴキブリのところへ再度戻り、触角をアゴで切り落とします。

切り落とした触覚の切断面から何度も繰り返し体液を舐め、それが終わるとゴキブリの触角や頭部を咥え、力強くあらかじめ見つけていた穴まで引きずっていきます。

穴にゴキブリを誘導し終えると、ついに産卵です。
ゴキブリの中肢付け根に何度も腹部末端を擦り付け、卵を産みつける場所を探ります。いいところを見つけると、細長くて乳白色の卵を産みつけます。



そして最後、穴に小石や木の破片などでフタをし、ゴキブリを閉じ込めて飛び去っていきます。
エメラルドゴキブリバチはその生態から非常に有名な昆虫ですが、こうやってその生態を目の当たりにすると手際の良さ、確実な襲撃など唸ってしまうほど洗練された行動で、見ていて全く飽きません。
今後継続的に観察を続けて、彼らのさらなる魅力について探っていけたらと思います。